ハリス島と聞いて多くの人が最初に思い浮かべるものと言えば、それはハリス・ツイードではないでしょうか。

ツイード生地を用いたツイード・ファッションは服飾をはじめアクセサリーや小物など日本でも大変人気があります。

ハリス島はその名の通りハリス・ツイード発祥の地です。私は最初、これほど有名なハリス・ツイードなのでハリス島には一体どんな大きな紡績工場があるのだろうかと想像していました。

でもそれは違っていました。実際、美しいハリス島にはそのような大きな工場はありません。

ハリス島にあるのは、熟練の職人さんたちが各家庭で営んでいる小さな工房ばかりなのです。

この島ではひとつひとつ伝統的な手作業によって高品質なツイード作りが今も続けられています。

（写真家 加藤秀）

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－ 写真解説 －

ハリス・ツイード工房「BORVEMOR LOOMSHED」を営むスコット・ベネットさんの織り機。

職人の多くは自宅の敷地内にある小さな機織り小屋（Loom Shed）で作業を行なっています。

小屋の中には年代物の織り機が鎮座し、壁や棚には道具や型紙、柄見本や材料などが並んでいました。

スコットさんは王室から直接オーダーされるほどの職人で、以前チャールズ3世国王（当時は皇太子）のジャケットを納めたこともあるのだそう。

まさしくここで本物のハリス・ツイードが作られています。